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セレクトセール2017にて、タッチングスピーチの弟が2億7000万円で落札

 10日、日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール」(主催・JRHA日本競走馬協会)で、1歳馬のセールが行われている。

 上場番号107、ディープインパクト産駒の牡馬「リッスンの2016」が2億7000万円で落札された。1億円からのスタートだった。あっという間に2億円の大台を超えると、昨年の最高額2億6000万円を突破する。最後まで手を上げ続けたのが“セレクトの顔”里見治氏。自身の1歳馬最高落札額となる2億7000万円で高らかにハンマーが鳴ると、会場は拍手で包まれた。

里見氏は「調教師(池江師)が“良い”と言うので、それじゃいこうかと。何とか種牡馬になれるような活躍をしてほしいですね」と期待を寄せていた。

 「2億2、3000万円を予想していたから高くつきました」。平均購買額は昨年から250万円上がり、過去最高に。それでも「(生産、育成の)牧場にお金が回るのはいいこと」と説明した同氏。昨年の菊花賞(サトノダイヤモンド)から怒濤(どとう)のG1・6勝。初めてG1オーナーとして参加するセリだったが「今まで背伸びをして頑張ったのは間違いではなかったんだなという気持ちですね」と感慨深げに話した。

 「どうしてもダービーを勝ちたい」と同馬に託す夢は大きい。狙うは昨年、サトノダイヤモンドで鼻差2着に泣いた競馬の祭典だ。入厩先は西の名門・池江厩舎を予定。

 

 

 父は種牡馬界の不動のエース。父サンデーサイレンスに劣らぬ傑出した能力を持ち、2012年以降リーディングサイアーの座にある。「13年連続」という父の記録に迫ることは確実だろう。ワンランク上の瞬発力を武器とし、JRAのGⅠ勝利数は7世代で「39」という驚異的な数字。また、海外でも仏1000ギニーをはじめG1を7勝しており、能力は優に国際レベルに達している。

 母は2歳時にフィリーズマイル(英G1・芝8ハロン)を勝った。晩成傾向のあるサドラーズウェルズ産駒でありながら、母方の奥にアメリカ血統が入るので、スピードと仕上がりの早さを補っている。本馬の全姉にタッチングスピーチ(ローズS)、全兄にムーヴザワールド(共同通信杯-3着)がいるように、父ディープインパクトとの血統的相性は良好。さらなる大物の誕生が期待される。

 母の父は英・愛リーディングサイアーに14回輝いた大種牡馬。日本向きのスピードや瞬発力には欠けるものの、スタミナと底力は抜群で、ガリレオやモンジューをはじめ多くの大物を送り出した。この2頭は種牡馬としても成功し、とくにガリレオは現在、ヨーロッパでは並ぶもののない大種牡馬として君臨。史上最強馬フランケルなどを送り出して強力なサイアーラインを築いている。

netkeiba.comスポニチJRA-VAN