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セレクトセール2017にて、ジェンティルドンナの全妹が3億7000万円で落札

 11日、日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール」(主催・JRHA日本競走馬協会)で、当歳馬のセールが行われている。

 上場番号333、ディープインパクト産駒の牝馬「ドナブリーニの2017」が3億7000万円で落札された。1億円からのスタートだった。

 本馬の姉ジェンティルドンナはGI・7勝を挙げ、年度代表馬に2度選ばれた名牝。

 

野本巧取締役は「緊張しました。2億は超えるだろうなと思っていた。最初から手を挙げたら最後までもたないと思って、手を挙げたのは5回くらい。牧場で見せてもらったときには体にすり傷とかけんかをしたような痕があって、馬体がピカピカしていなかった。気が強い証拠かもしれない。期待しちゃいますよね」と話した。

 

 ディープインパクト産駒としては史上最高額、日本のセール史上では3番目の高値となる3億7000万円で落札された。

 全姉ジェンティルドンナは12年の牝馬三冠を制し、年度代表馬にも2回選出された歴史的名牝。購入したのは(株)DMM.com。同社は19日から「(株)DMM.comドリームクラブ」というクラブ法人をスタートさせると発表している。

 なお、これまでのディープインパクト産駒歴代最高額は、11年のセレクトセール1歳で3億6000万円の値をつけたラストグルーヴ(牝)。母に名牝エアグルーヴを持つ同馬はグローブエクワインMが落札、1戦1勝で引退した。

 また、国内歴代トップは同セールの06年当歳で落札されたディナシー(牝、父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー)で6億円。グローブエクワインMが落札した同馬はデビューせずに繁殖入りした。

 2位は同セール04年当歳のザサンデーフサイチ(牡、父ダンスインザダーク、母エアグルーヴ)で関口房朗氏が4億9000万円で落札。41戦3勝の成績を残した。

 

 父は種牡馬界の不動のエース。父サンデーサイレンスに劣らぬ傑出した能力を持ち、2012年以降リーディングサイアーの座にある。「13年連続」という父の記録に迫ることは確実だろう。ワンランク上の瞬発力を武器とし、JRAのGⅠ勝利数は7世代で「39」という驚異的な数字。また、海外でも仏1000ギニーをはじめG1を7勝しており、能力は優に国際レベルに達している。

 母は英国産。2歳時にチェヴァリーパークS(英G1・芝6ハロン)とチェリーヒントンS(英G2・芝6ハロン)を勝ったスプリンターだった。繁殖牝馬としても成功し、ディープインパクトとの間にジェンティルドンナ(ドバイシーマクラシック、牝馬三冠、ジャパンC2回、有馬記念)、ドナウブルー(関屋記念、京都牝馬S)を産んだ。仔だけでなく孫以降の代にも影響力を及ぼしそうだ。

 母の父は米国産。イギリスで走り、重賞勝ち鞍はジュライS(英G3・芝6ハロン)のみだが、G1で2、3着が5回と、一線級相手にも堅実な成績を残した。種牡馬として成功したわけではないが、名種牡馬グリーンデザートの4分の3同血(父と2代母が同じ)という良血がモノをいい、名牝ドナブリーニの父となった。2代母コートリーディーはきわめて旺盛な活力を伝える世界的名牝。

 

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