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薔薇一族の悲願を達成した王子様

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ローズキングダム

父 キングカメハメハ、母ローズバド、母の父サンデーサイレンス

生産者:ノーザンファーム 馬主:サンデーレーシング 厩舎:栗 橋口弘次郎 2007/5/10

馬名の意味・由来:「薔薇の王国」の意。母名からの連想。

 

10月25日のデビュー戦では超良血で評判馬、のちに生涯のライバルになる、アサクサデンエンスウィフトカレントの弟、ヴィクトワールピサが出走しており、貧相な体つきで調教もイマイチだった彼は2番人気になったが、道中は4番手を進み4コーナー入り口で巧みな競馬で内を突き先頭に躍り出ると、最速の上がりでそのまま外から追い込んできたヴィクトワールピサを4分の3馬身差でねじ伏せデビュー戦を勝利で飾る。

次戦は京都2歳ステークスを予定していたが、第14回東京スポーツ杯2歳Sに出走した。好位でレースを運ぶと、直線は後方から末脚を伸ばしたトーセンファントムとの接戦をアタマ差で制し、重賞を初挑戦で勝利した。これは薔薇一族にとって2年半ぶりの重賞勝ちとなった。


【競馬】【ローズキングダム】バラ一族の悲願へ好発進/09年東スポ杯2歳S - netkeiba.com

当初は次走としてラジオNIKKEI杯2歳ステークスを予定していたものの、第61回朝日フューチュリティSへ出走を予定していた同厩舎のリディルが骨折により出走不可能となっていたため、代わりに出走することとなった。レースはバトルシュリイマンが逃げ、ローズキングダムは好スタートから中団で他馬を見ながらレースを進めた。そして4コーナーから徐々に進出し進出し、直線に入って馬場の真ん中を割るようにして抜け出すとエイシンアポロンの追走を1馬身半抑えて重賞2勝目、Jpn1初勝利を挙げた。これは薔薇一族にとっても34回目の挑戦で初のG1 (Jpn1) 勝利となった。


2009 朝日杯フューチュリティS

明けて3歳の緒戦は2010年3月21日の第59回フジTVスプリングSに単勝1.4倍の1番人気で出走。圧倒的一番人気に推され中団でレースを進めるも、前が詰まったりして上手く立ち回れず、最後の直線では前が開かない展開となり、残り100mで馬場の内側から差を詰めるも上がり最速で突っ込むが3着に敗れてしまう。上がり最速だったとはいえ、荒れ気味で力の要る馬場が合わなかったということもあったかもしれない。この馬、小柄な馬体なためか非力さを見せる局面がここから増えてきてしまう。

陣営はレース後には中山競馬場の荒れた馬場を考慮して皐月賞を回避して東京優駿(日本ダービー)に直行することも視野に入れる発言をしていたが、3月25日に当初の予定通り第70回皐月賞に向かい、レースでは弥生賞の優勝馬ヴィクトワールピサに次ぐ2番人気で出走。直線では最内を切り裂いて突き抜けたヴィクトワールピサをを尻目に真ん中を突き抜けようとしたが伸びきれず、大外から猛追したヒルノダムールらにも差され4着に敗れた。

小牧太が前週に騎乗停止処分となり、後藤浩輝に乗り替わって迎えた5月30日の第77回東京優駿では超スローでの切れ味勝負となり、キレが身上のローズキングダムには持って来いの展開となったが、中団追走から直線で先に抜け出したものの、上がり32秒7の豪脚で馬群を割ってきたエイシンフラッシュにかわされ2着に敗れた。


2010 日本ダービー

鞍上が武豊に乗り替わった秋緒戦の第58回神戸新聞杯はダービー馬エイシンフラッシュにクビ差で勝利した。続く10月24日の第71回菊花賞では皐月賞馬ヴィクトワールピサが凱旋門賞挑戦で不在、ダービー馬エイシンフラッシュは直前に筋肉痛を起こしリタイアとなり、1番人気で出走した。しかし、中団待機から直線で鋭く伸びたもののビッグウィークが早め先頭で押し切るのを止められず2着に敗れた。

菊花賞の後、陣営は有馬記念を最大目標にし、その前に第30回ジャパンカップに出走することになった。レースではクリストフ・スミヨンが騎乗したGI5勝の1番人気ブエナビスタが直線外から豪快に突き抜け快勝と思われたが、2位入線した武豊騎乗の4番人気ローズキングダムの走行を妨害したとして、まさかの2着降着。これにより、ローズキングダムがJC優勝となった。 


2010 ジャパンカップ

大外からインに切れながら猛然と襲い掛かってきたスミヨン騎乗のブエナビスタにまず馬体をぶつけられ、内からはギュイヨン騎乗のヴィクトワールピサも急激に外側に張り出してきたため、武豊ローズキングダムはちょうどサンドイッチの形になり、スピードを上げることができない。ブエナビスタはここからさらにインへと切れ込み、完全にローズキングダムの前をカット。この度重なる不利で、武豊は何度もブレーキを踏まねばならず、不完全燃焼の2位入線だった。

絶望的な直線の攻防から心を折らず、ヴィクトワールピサをゴール寸前でハナ差ねじ伏せ、2位でゴールしたローズキングダムの能力、そして精神力は賞賛されてしかるべきで「普段の調教でもこの馬はすごい勝負根性をしているが、今回もあんな形のレースでゴール前グンと伸びた。ここでこんな勝負根性を見せてくれたことに驚いた。普通の馬だったら、ひるんでしまって4、5着だったと思う」とトレーナーが絶賛し語ったように、運が味方したとはいえ、この運と勝利を手繰り寄せたのはローズキングダムの頑張りそのものだった。その後、陣営は2010年最大の目標としていた有馬記念への出走を表明し、12月23日に出馬投票を行ったが、翌日の12月24日になり疝痛(腹痛)のために出走を取り消した。