POG Again

POG歴約20年

見たことのない世界へ連れて行ってくれる馬

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レーヴディソール

父 アグネスタキオン、母レーヴドスカー、母の父 Highest Honor

生産者:ノーザンファーム 馬主:サンデーレーシング 厩舎:栗 松田博資 2008/4/08

馬名の意味・由来:飛翔の夢。フランス語。

 

2010年9月11日のメイクデビュー札幌で中舘英二を鞍上に迎え1番人気で出走、中団のインを追走して最後の直線で先に抜け出したのちの第20回アーリントンカップ勝ち馬ノーザンリバーを本当の一瞬で差し切り、快勝。初勝利を挙げる。2戦目は脚元を考慮してか、1ヶ月開けて臨んだ重賞初挑戦となった10月16日京都の第45回デイリー杯2歳S。福永祐一とのコンビで1番人気で出走し、道中後方待機から大外をぶん回して一気の末脚を繰り出し、残り100m付近で他馬をまとめてかわし、後の朝日杯フューチュリティS馬グランプリボスらを撃破。重賞初勝利を挙げた。牝馬でのデイリー杯制覇はデイリー杯3歳S時代のシーキングザパール以来14年ぶりとなった。

その2ヶ月後、12月12日の第62回阪神ジュベナイルフィリーズでは、スローペースを切り裂き快勝。1番人気に応えてG1勝利を収めた。来年の牝馬クラシックはこの馬が全てかっさらうのでは?というくらいの評価を下される存在となった。 またこの競走ではG1史上初めて芦毛馬が1~3着(2着ホエールキャプチャ、3着ライステラス)を独占した。阪神ジュベナイルフィリーズを含む重賞2勝を挙げたことから、この年のJRA賞最優秀2歳牝馬に満票で選出された。レース後、鞍上の福永祐一は「僕らの見たことのない世界へ連れて行ってくれる馬」と語り、同世代のライバルとは別格の「切れ味」を繰り出し、デビューから3連勝でGI制覇を飾ったことにより一躍脚光を浴びた。

明け3歳の緒戦として、2011年3月5日の第18回チューリップ賞に出走。2005年の菊花賞で記録したディープインパクトの79.03%を上回る81.4%の単勝支持率、オッズ1.1倍の断然の1番人気に支持された。レースでは道中後方から4番手を追走すると、最終コーナーで外に持ち出し、流したまま後続を4馬身突き放す圧巻のレースぶりを披露。最後までムチを使うことなく、最後の1ハロンは軽く流しそれでいて上がり33秒6。デビューから破竹の4連勝で、2011年の牝馬クラシック制覇は確実、ダービー出走もあり得ると思われた。レース後、福永祐一騎手は「自分がいままで乗ってきた馬のなかでも、これほどのインパクトのある走りを見せてくれる馬というのはいなかったんで、ホントにどこまで強くなっていくのか、楽しみしかないです。ボク自身もこれほど楽に重賞を勝てたことっていままでないです」。という遠回しに“シーザリオよりも上”といってもいい破格の評価だった。

その後桜花賞出走に向けて調整されていたが、3月30日の1週前追い切り後に右前脚のトウ骨遠位端部分の骨折が判明。全治見込み半年以上と診断され、牝馬三冠を棒に振ってしまう。その後、11月13日の第36回エリザベス女王杯で復帰。実質の追い切り2本だけという内容ながら、実績が下支えして単勝3番人気で出走、結果は11着だった。12月18日の第49回愛知杯に1番人気で出走、後方を追走し直線で懸命に追い込んだがフミノイマージンの4着に終わり、牝馬三冠どころかダービーすら狙えると言われた逸材の面影は欠片もなくなっていた。その後、金杯から復帰予定であったが右後脚の腫れで出走取消、その後また右前脚に骨折を発症し結局引退。繁殖入りとなった。

 


2010 阪神ジュべナイルフィリーズ