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うっとりするような美しいダンス

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ダンスインザムード

父サンデーサイレンス、母ダンシングキィ、母の父 Nijinsky

生産者:社台ファーム 馬主:社台レースホース 厩舎:美 藤沢和雄 2001/4/10

馬名の意味・由来:「暗闇(ムード音楽)の中でダンス」の意。うっとりするような美しいダンス(走り)で私達の心を酔わせてほしい。母名、全兄ダンスインザダークより連想して。

 

半兄にエアダブリン、全兄・全姉にダンスパートナー、ダンスインザダーク、近親にスズカマンボらがいる近年屈指の名牝系の出身で、じっくりと育てられデビューしたのは2003年12月20日。中山の2歳新馬戦を持ったままでぶっちぎり、6馬身差の楽勝でデビューすると明け3歳初戦となった若竹賞も勝利。この時騎乗していた岡部幸雄に長期休養から復帰後初勝利をもたらした。その後武豊を主戦に据え、第18回時事通信杯フラワーCを楽勝し重賞初勝利。一躍桜花賞の最有力馬に推される存在となり、牝馬クラシック競走へ向かった。

2歳時から路線の中心にいたスイープトウショウヤマニンシュクルムーヴオブサンデーダンスインザムードの無敗馬2頭に加えて、多数の有力馬が出走したことから"乱桜"と称されていた2004年の第64回桜花賞。しかし、蓋を開けてみれば強い馬が強い勝ち方をした堅実なレースとなった。その中で勝ち名乗りを受けたのは、3戦全勝でここへ駒を進め単勝2.9倍の1番人気に支持されたダンスインザムードと武豊。そしてその支持に応えるかのように先行しながら上がり最速で圧倒し、先行集団から直線で早めに抜け出すと後続を一気に突き放して、2着のアズマサンダースに2馬身の差を付ける無敗での圧勝劇を見せた。メジロラモーヌ以来となる18年ぶりの関東馬の桜花賞勝利となったダンスインザムードは、91年のシスタートウショウ以来、史上6頭目となる無敗の桜花賞馬の座に輝くと共に姉・ダンスパートナー、兄・ダンスインザダークに続いて3兄弟クラシック制覇という大偉業も達成。藤沢和厩舎は初のクラシック制覇で、手綱を取った武豊は史上最多となる桜花賞5勝目を挙げるなど、何とも記録づくしのレースとなった。

桜花賞の直線で明らかに集中力を欠いて尻尾をブンブン回す姿に、距離延長を不安視する向きもあった。それでもちぎり捨てたので、重大視する者はそう多くなかったのだが・・・東京優駿(日本ダービー)に出走するのではないかと騒がれたが、第65回優駿牝馬に出走することになった。全姉ダンスパートナーが勝った舞台ともあって、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推されるものの、馬体重+14kgと調整失敗が明らかだった上にレース前から大量の発汗が目立つほどイレ込んでいた。レース中かかった素振りがなかったにもかかわらず直線ほとんど伸びず、ダイワエルシエーロに逃げ切りを許し絶望的位置から飛んできたヤマニンアラバスタにすら差され4着に敗れてしまう。

このころから気性難が騒がれ始める。優駿牝馬後は日本調教の3歳牝馬としては異例のアメリカ遠征を選択。そのアメリカンオークス招待ステークスでは惜しくも2着となった。帰国後は牝馬三冠目の第9回秋華賞にぶっつけで挑み、単勝1.7倍の1番人気に支持されるがスイープトウショウの4着に敗れる。調教師の藤沢和雄が次走に選択したのは第130回天皇賞(秋)。ここでは単勝13番人気であったが、ゼンノロブロイの2着に好走し藤沢厩舎所属馬のワンツーとなった。その後は第21回マイルチャンピオンSに挑み、デュランダルの2着に入る。マイルチャンピオンシップの後は香港国際競走の香港カップに出走し、14頭中13着と惨敗するも、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞した。

 


ダンスインザムード × 藤沢和雄