POG Again

POG歴約20年

指名馬情報:牝馬第3位

牝馬第3位:リアアメリア

f:id:ClaudioSuarez:20200409173552p:plain
【東西現場記者走る】リアアメリア3頭併せで火つけた

 GI勝ち馬を探る連載『現場記者走る』。クラシック初戦の桜花賞を担当する大阪サンスポの斉藤弘樹記者(40)は3日目、栗東トレセンでリアアメリアに注目した。昨年6月のデビュー前から、世代トップクラスと感じていた逸材。阪神JFでの敗戦(6着)を糧に、どう立て直してきたかに迫った。

 3日目のターゲットは、ディープインパクト産駒のリアアメリア。中内田厩舎からは同じディープ産駒のミッキーチャーム(秋華賞2着)やダノンファンタジー(阪神JF1着)など、毎年GIクラスの牝馬が誕生しているが、個人的にはそれらの先輩を超えるほどの素質を感じている。

 単勝1・8倍の断然人気に推された阪神JFは、スタートからスイッチが入らず、まさかの6着。そこから4カ月ぶりの直行だけに、気になるのは仕上がり具合だ。

 注目の追い切りは川田騎手を背に朝一番のCWコースに登場。最後方から前に2頭を見ながら進み、いくらか力む場面もあったがしっかりと我慢は利いていた。4コーナーで最内にもぐりこみ、ラスト1ハロンで手応えよく並びかけると馬なりでラスト1ハロン11秒9(6ハロン81秒4)と鋭く伸びた。

 世話役の片山助手は「先週も十分に動けていましたが、まだ(上が)あるのかという感じですね」と好感触。動きの良さも光ったが、それ以上に驚いたのは3頭併せを敢行したことだ。同じCWコース追いでも、前走は半マイルの単走追いで、同助手は「これからの2歳の牝馬で無理はしたくなかったし、緩めたつもりはないけど、維持していた感じ」と話していた。当時の“守り”の最終追いを思えば、今回が“攻め”の姿勢であることを強く感じた。

 阪神JFからの直行は予定通り。「精神面を大人にしたかったので、いろいろ対応できるようにしてきました」と同助手。中間は馬の後ろでキックバックに耐えさせたり、道中の我慢を覚えさせるなど、敗戦を糧にじっくりと時間をかけて丁寧に教え込んできた。

 馬なりで8馬身差の圧勝劇を演じたデビュー戦、後方から上がり3ハロン33秒0の末脚で差し切ったアルテミスSの走りを見ても、能力は一級品。輝きを取り戻した才女が、巻き返しの態勢を整えてきた。

 

f:id:ClaudioSuarez:20200409172404p:plain

【桜花賞】リアアメリア 先週以上の動き! 11秒7併入で万全仕上げ

<桜花賞>川田騎手を背に3頭併せで追い切るリアアメリア(中央)。左がマックス、右がリーガルマナー

 今年の始動戦となるリアアメリアは川田を背にCWコースへ。3頭併せの一番後ろからスタート。道中、しっかりと我慢を重ね、最後はリーガルマナー(3歳1勝クラス)と併入した。6F81秒0~1F11秒7。片山助手は「先週、しっかりと動かせている。今日も、さらに良化が見られた」と上積みを口にした後、「しっかりとやりました。軽いというイメージはない」と万全の仕上げをアピールした。

 

f:id:ClaudioSuarez:20200409172510p:plain
【桜花賞】リアアメリア、3頭併せでしびれる手応え!川田「普通に走ってくれれば」

 「桜花賞・G1」(12日、阪神)

 受けて立つ。そんな立場ではもうない。多くの支持を集めた阪神JFで6着に敗れてから4カ月。ダイレクトに桜へと歩みを進めたリアアメリアが、挑戦者として攻めの姿勢を貫いた。

 最終リハは8日、栗東CWでの3頭併せ。先行する僚馬をターゲットに弾むようなフットワークを繰り出し、しびれるような手応えのまま直線に向くと、内から静かに脚を伸ばして併せたリーガルマナー(3歳1勝クラス)と併入、マックス(3歳未勝利)に0秒5先着した。

 しっかりと我慢の利いた内容で6F81秒4-37秒4-11秒9。「順調にここまで来ているので、何より普通に走ってくれれば。普通に走る気持ちになってくれるかが唯一の課題」。感触を確かめた川田は、パートナーの今をこう伝えた。新馬戦を圧勝。2戦目のアルテミスSでは、のちのシンザン記念覇者サンクテュエールを寄せ付けなかった。阪神JFは不本意な形となったものの、能力の高さは疑いようがない。

 前回はゲートが開いた際、気持ちが途切れてしまったという。それを踏まえ、この中間は丹念にゲート練習を繰り返してきた。片山助手は「いろいろなことに対応できるような調教、調整をしてきました。やりたいことはやれたと思います。まずはゲートを五分に。我慢することも覚えてきましたからね。カイバ食いもいいですし、本来の姿に戻ってきました」と仕上がりの良さを強調した。鍛錬を重ねて反撃の舞台へ。桜舞う仁川で信じた末脚を放つ。

 

f:id:ClaudioSuarez:20200409172600p:plain
8番リアアメリア阪神JFの雪辱を目指す/桜花賞

リアアメリア(中内田)は偶数の8番に入った。

出脚は速い方ではないが、片山助手は「スタートからの数歩に気を使って調整した。やることはやりました。与えられた枠でやるだけ」と話した。

1番人気で6着に敗れた阪神JFの雪辱へ、陣営も手を尽くしている。

 

f:id:ClaudioSuarez:20200409173722p:plain
【桜花賞】枠順確定 リアアメリアは8番、さらに良化で陣営合格点

 昨年の阪神JF(6着)以来のリアアメリアは4枠(8)番に決まった。片山助手は「決まったところで頑張ります」とコメント。2週続けて川田を背にCWコースで調整。「先週はしっかり動かしたことで、今週はさらに良化が見られました」と合格点を与えた。折り合い面から前に壁を作れるかどうかが、ポイントになりそうだ。